住宅型有料老人ホームへの施設移行支援事例
【利用者情報】
60歳代 男性
〇家族:なし
〇所持金:なし
〇障がい者手帳:なし
〇疾病:Ⅱ型糖尿病、糖尿病性神経症、糖尿病性網膜症
【入所に至る経緯】
〇県にて出生、11歳から△県で生活していました。中学卒業後、運送業の仕事をしていましたが54歳時に急性肺炎と糖尿病の高血糖症状のため入院となり、職を解雇されたことで住居を喪失、生活保護受給開始となりました。
その後、単身生活をしていましたが、慢性うっ血心不全や糖尿病が原因で入退院を繰り返し、その間、居宅内にはゴミが溜まり、「異臭がする」との苦情が福祉事務所に寄せられたため、単身生活不可との判断でフローラへ入所の相談に至りました。
【支援過程】
入所日から腰痛、足の痛みの訴えがありました。既往歴として心不全や糖尿病などの診断があるとの情報もありましたが、通院を自己中断していたため内服薬での治療はされていませんでした。全身の浮腫みが顕著であったことから内科受診し、糖尿病・高血圧の治療を開始しました。
一方、生活面では環境の変化からか面談当初よりも認知機能が低くなっているように感じられ、ADLの低下が顕著に表れていました。
日々過ごす中で、排泄についてはトイレの場所が理解できず、居室内のあらゆる壁に排尿することが連日続いたため、ポータブルトイレを設置し、定時のトイレ誘導をすることとなりました。しかし、当施設は24時間対応が困難なため、夜間の見守りができず、早急な施設移行が必要と早期から感じられました。
早速、介護保険(生活保護法の介護給付)を活用の上、介護保険施設への移行が可能か担当CWに相談すると同時に精神科にて認知症検査を行いました。結果、若年性認知症の診断が出たため特定疾病が適応となり、介護保険施設への移行許可が出ました。また、並行して、地域包括支援センターに相談、本人のADLに見合った施設を探してもらうように協力を依頼し、福祉事務所とも連携して介護認定調査を申請・実施しました。結果、要介護3の判定を受けました。
その後、住宅型有料老人ホームの受け入れ先が見つかり、見学を経て、本人の意向を確認し契約に至りました。また、今後の通院先の調整、訪問看護・訪問介護の申請等も行いました。
現在、みなし2号として介護保険を利用されていますが、今後は自立支援医療制度(精神通院医療)を利用しているため、障害福祉サービスの活用に変更となる予定です。
【感想】
上記、入所してから施設移行まで1ヵ月半で完了し早急な施設移行を実現することが出来ました。
引き続き、様々な人とのかかわりを通じて、救護施設としての使命を果たしていきたいと思います。